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エンディングノートで書くべきポイント
「終活」や「相続」について考えていますか?
何からやればよいか迷っているという人も多いのではないでしょうか。
終活の基礎知識やヒントを紹介します。書き方がわからなくて困っている人が意外と多い「エンディングノート」についてのお話です。
終活を考えるときに、思い浮かぶテーマは「エンディングノート」が多いと思います。
どのように書き進めていけばよいのかを考えていきます。
アンケートによれば、エンディングノートの認知度は約90%あるのですが、実際に書き残している人は親族の相続を経験した人でも15%程度しかいません。
エンディングノートを準備していない理由は「書くきっかけがない」「希望が変化していそう」「書くタイミングがわからない」「書くのが面倒」「書き方がわからない」が上位5つです。ところで、エンディングノートは結構売れているようですが、買ってはみたものの、そのまま放置されている方が多いのではないでしょうか。
エンディンノートを書く手順は、①書くべき内容(財産や連絡先など)の資料を揃える②自分の考え(終末医療や葬儀、墓など)をまとめる③手を動かして書く、になります。エンディングノートに書くべき項目は多く、「人生の棚卸し」とも言える一大イベントです。気楽にスラスラ書けるものでもなく、「いったん置いておこう」となりそうです。
エンディングノートに書く項目
① 自分に関する基本情報
氏名、生年月日、住所、本籍、電話番号、メールアドレス、身体情報(血液型、持病、アレルギー、手術歴、薬、かかりつけ医)、家系図、連絡先リスト、慶弔記録、所属団体など
② これまでの人生
自分の歴史・思い出、趣味・好きなもの、学歴・職歴、資格など
③ これからの人生
やりたいこと、やり残したこと、未来のデザイン、生きがいなど
④ もしものとき
こうして欲しい希望(介護や看病、財産管理や後見、終末医療や延命治療、臓器提供や検体、葬儀・納骨・墓、供養や法要など)、死後事務委任、大切な人へのメッセージなど
⑤ 財産・相続
不動産、預貯金、有価証券、貸金庫、口座引き落とし、クレジットカード払い、電子マネー、ポイントカード、大切な動産(美術品・楽器・自動車など)、トランクルーム、貸付金、借入金・保証債務、保険、年金、デジタル資産(携帯電話・パソコン・プロバイダ・SNS・ブログ・ホームページ・アプリなど)、遺言書(所在・遺言執行者)、形見分けなど
項目は並べると以上のようにたくさんありますから、書くのは大変です。もちろん全部書ければ良いのですが、最初から全部書こうとは考えずに「必要な部分から少しずつ書く」もしくは「必要な部分しか書かない」でも良いのです。では、その「必要な部分」や「ここだけは書いておきたいこと」とはどの項目なのでしょうか。
・残された家族が書き残してほしいこと
エンディングノートを書いている人はまだ少数派ですので、本人に何かが起こったときに、家族や親族などはエンディングノートがなくても何とか対応しています。そういう意味では、エンディングノートは絶対的に必要なものではありません。ただ、エンディングノートがあれば家族が助かる場面があるのも事実です。
場面について、(A)意思能力がなくなったとき、(B)死亡したとき、の検討は次のように分けます。
(1)意思能力がなくなった(含む減退している)とき
① 任意後見契約をしている場合の契約書はどこにあるのか
② 家族信託の契約をしている場合に契約書はどこにあるのか
③ 代理人で預金は引き出せるか(代理人サービス・代理出金機能など)
④ 財産にはどんな種類があるのか
⑤ かかりつけ医情報(持病・薬など)
⑥ 本人の希望(介護や看病・終末医療や延命治療など)
*①〜④は「終活ファイル」に契約書やカードのコピーを入れておく。
(2)死亡したとき
① 死後事務委任契約をしている場合の契約書はどこにあるのか
② 遺言書を書いている場合の保管場所か
③ 家族信託(遺言代用信託など)の契約をしているのか
④ どんな財産があるのか
⑤ 本人の希望(葬儀・納骨・墓、供養や法要など)
⑥ 連絡先リスト
*①〜④は「終活ファイル」を活用する。
このような情報が、家族や親族などが手続きや決定をする際に参考になります。
「終活ファイル」を利用すれば、エンディングノートに書く項目は「身体情報」「本人の希望」「連絡先リスト」だけですので、手軽に書けます。
家族構成などの背景や事情によりエンディングノートに書いておきたいことは異なります。次は、ケース別の書くべき内容や、「思いを残す」というエンディングノートの活用法についてです。